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フィジー便り (6)                                 (2012年2月)

 皆様お久しぶりです。大変ご無沙汰でした。2012年も早や2月の立春を過ぎ、今年も新年のご挨拶は出来ませんでしたが、本年もよろしくお願いします。
 フィジーに赴任して早くも1年5ヶ月になろうとしています。残りの任期も7ヶ月余りになりました。いよいよラストスパートですが、フィジーでの生活に悔いを残さないようにこれから公私共に楽しみたいと思っています。
 福岡地方をはじめ日本は、年末年始から2月中旬までこれまでにない寒波に見舞われ、大変だったようですが、寒さや風邪など吹っ飛ばしてご活躍のことと思います。
 今回は、昨年8月にフィジー便り(5)をお送りした後の簡単な経過と最近の状況を報告したいと思います。

 

1.中間報告など
 昨年10月は赴任後1年間が経過したということで、スバのJICA事務所で中間報告会がありました。一緒に赴任した10名(シニア2名、青年協力隊8名)と家内も同行し、久しぶりの感激の対面で昼も夜も大賑わいでした。
 問題の中間報告会ですが、全員それぞれ個性のある発表で大変好評でした。ところで私の発表ですが、ラウトカの北部地域の出水不良箇所の改善(フィジー便り・5で報告済み)について、住民のインタビューを交えて報告したところ、好評で、今後の活動に必要な機材の現地購入要望が、JICA事務所長判断で即刻認められ、2月中には手に入る予定です。その後、配水地の水位調整弁のモデル的購入についても新年度での購入申請を行っていただいています。
 併せて、フィジー上下水道公社の本部(スバ)でも、ジェネラルマネージャー(技術系のトップ)出席のもと中間報告を行いました。その席で、首都スバに1週間から10日間位出張してスバ地区の水道事情を視察するよう、要請がありました。
また、昨年の11月上旬は、所要でフィジーを不在にしていましたが、ちょうどその時期に「沖縄県水ビジネス検討会」の皆さんが、ラウトカの西部地区水道事務所を訪問され、フィジー側の概要説明と意見交換の後、ブアブア浄水場を視察されました。その時は、水ビジネスなどについての具体的な意見は特になかったようです。この件につきましては、フィジーJICA事務所とフィジー上下水道公社の間での事前の行程調整などを担当しましたが、視察時には立ち会うことが出来なくて非常に残念でした。検討会の皆さんは、フィジーでは水道公社だけでなく、他の企業も訪問された後、トンガやサモアの水道事業体も訪問されました。その後、いろいろと検討されているようですが、現段階では具体的な動きはないようです。日本では、「水ビジネス」の検討がブームみたいになっているようですが、ここフィジーのラウトカの水道現場からも、日本の開発途上国などに対する「国際協力」や「水ビジネス」のあり方などについて、考えてみたいと思っています。

2、年末年始
 フィジーの12月は、会計年度で言えば、年度末であり、また、クリスチャンであるフィジー人にとっては、一年で最大のイヴェントであるクリスマスシーズンです。
 まず、11月、12月に行った仕事について報告します。ナガンド浄水場からカシミール配水池に送水された約23,000m3/日は、タバクンブ、ツアレシア、フルガー、DMOといった配水池へと送水され、それぞれの配水池からの配水と、送水管の途中で配水管に分岐した配水とあわせて丘陵地の高低差の激しい住宅地からラウトカタウンへと配水されています。(前回のフィジー便り・5で報告済み)

 これらの中で唯一、ツアレシア配水池の配水区域は配水池容量が小さいこともあり、配水池を使わず、バイパス管を利用してカシミール配水池から直接配水していましたが、水圧が高く漏水が多いので、ツアレシア配水池にいったん貯水してから配水するように、変更作業を行いました。そのため、事前に水圧調査を行い、配水池への流入量、流出量の調整を行い、再度変更後の水圧調査を行いました。また、ツアレシア配水池の配水区域でも一部高台地区があることが発覚したので、その地区をカシミール配水池からの送水管による配水区域に切り替えるなど、試行錯誤の作業でしたが、何とか12月末には安定給水が出来るようになりました。
 次に、職員の待遇の話です。2年前の2009年度までは、上下水道事業は、国の公共事業省の直轄事業でした。当時は、毎年12月にはボーナスが支給されていましたが、2010年度からフィジー上下水道公社となり、公社の財政状況が厳しいことを理由に2010年12月、2011年12月と支給されていない状況です。さらに超過勤務手当て(残業代)も支給されていない状況です。超過勤務手当てについては当局からの提案で、代替休暇制度が採用され始めました。このような状況の中、2011年12月は、労働組合から課長以下に一時金が支給され、職員の顔に少し笑顔が戻ったようでした。たとえ超過勤務手当てが支給されなくても、夜間断水のため、現場での弁操作業務など、黙々と働いているところを見ると頭が下がる思いです。このように、フィジーでも、非常によく働いている職場もあります。
 例によって今年も職場のクリスマスパーティがありました。今年は、昨年と違って、西部地区ラウトカ事務所の所長主催の「AWARD NIGHT, LAUTOKA」(ラウトカ事務所・表彰の夕べ)ということで、12月23日にラウトカの町の「サウス・シー・クラブ」で開催されました。私は浴衣で、家内は簡易着物での参加でした。
 今回は、所長から、各事務所や各課への表彰や個人表彰があり、1年間のご苦労様の意味のトロフィーなどが渡され、大変な盛り上がりでした。

3、新年(2012年)
  ここフィジーは、雨期に入っているにもかかわらず、2012年1月1日は素晴らしい初日の出で、私が住んでいるアパートのベランダから写真を撮りました。その後しばらくは、良い天気が続いていました。
  ところが、1月中旬のフィジー上下水道公社総裁への予算ヒヤリングのための日帰りスバ出張やJICA安全対策協議会出席のためのスバ出張が終わった、1月22日頃から降りだした豪雨が25日まで続き、ナンディタウン、ラウトカ北部、ラウトカから30kmくらい北部のバの町など、フィジー本島の西部地区で、川の水が増水するなど、床上浸水、道路冠水、橋の損壊など大変な被害が出ました。(各地区の3日間合計降雨量は、およそ600mmから1,000mmというデータが出ています)フィジー政府は、自然災害として、「国家非常事態宣言」を出し、 災害復旧に取り組んでいますが、その後も熱帯性低気圧やサイクロンがフィジー本島の南北を通過し、断続的な豪雨で、復旧もなかなか進みません。

 私達が住んでいるラウトカやナンディ地区は、水道水が一時的に少し濁っただけで、問題なかったのですが、ラウトカの北部地区を賄っているブアブア浄水場の水源やバの町を賄っているワイワイ浄水場の水源からの導水管が損壊するなど、両浄水場からの供給は完全にストップし、それぞれ給水車で対応している状況でした。

 ブアブア浄水場の水源である2箇所の取水ダム(ブアブアダム、ナラウダム)については、川の水位が低くなった1月29日に取水口と取水口付近の導水管の損壊状況を視察(スタッフに前後から手を取ってもらって川を渡るなど、まさにトレッキングでした)して来て、写真を見ながら緊急対応策を協議しました。その結果、まずブアブア取水ダムの導水管損壊箇所を緊急で連絡工事を行いました。その結果、1月31日、ブアブア浄水場に約4,500m3/日(浄水能力の約半分)の原水が到着しました。
 また、ナラウダムにつきましては、雨が少し少なくなった、2月6日の週に、チェーンブロックを利用した転石の移動、鉄棒による削岩、取水口の補修、スクリーンの取替え、並びに導水管損壊箇所の連絡工事を全て人力で行いました。その結果、その週末、ブアブア浄水場に原水が到着しました。

また、バの町を賄っているワイワイ浄水場の主な水源であるナンデラウ取水場からの導水管とナンデラウ地区へ供給している配水管(2本とも橋梁添架)が橋の上部橋とともに川に流され、損壊しました。1月30日に視察したときは、橋は橋脚の増設修理、水道は橋の直下流で河川横断敷設工事をしていました。また、これらの工事の下流側では、渡し舟を利用して生活物資や孤立した川向こうの住民が運ばれていました。この水道工事や橋の修理工事は、その後の雨による増水で工事ストップの状態でした。

しかし、ワイワイ浄水場のもう1つの水源であるバラジバ取水場で、取水口から取水ポンプ井に流入した泥土の除去清掃を、度重なる泥土流入にも負けず精力的に作業することにより、ワイワイ浄水場へ導水することが出来ました。これによって何とかバのまちへ供給をはじめた状況です
 このように、雨の中をラウトカ北部の水源を視察したり、バに行ったり、協議したり、アドバイスをしたり、写真報告をしたりで大忙しです。体調と相談しながら無理しないように気をつけています。
以上、今回は、主に豪雨災害の近況報告になりましたが、復旧状況は刻々と変わりますので、途中経過になっていることをお許しください。
 なお、6ページに、参考図として「ナンディ・ラウトカ地区水道事業概要図」を付していますのでご参照ください。
 今年・2012年が日本、フィジーをはじめ世界が災害のない平穏な1年であることをお祈り申し上げます。
 
*今回の報告は以上ですが、間違い、不適切な表現などありましたら、お許しください。また、皆様のご意見、ご指導など、お待ちしています。